接触型
タックルを受けるなど下腿部や大腿部に衝撃を受けることによって損傷する。
非接触型
ジャンプの着地や急停止、サイドステップを行った際、損傷する。膝への外反力が加わり、ラグビー、サッカー、スキーなどで多く見られる。
膝の内側への圧痛と外反不安定性が軽い(第1度損傷)ものから10°以上の不安定性を示す(第3度損傷)ものもあり関節内出血を認める場合もある。
ACL損傷も合併していることも多い
接触型に多く見られ内側側副靭帯損傷よりは頻度が低い。
膝への内反ストレスやKNEE OUTのストレスが加わり発生し膝関節伸展位(膝を伸ばした状態)で不安定性が大きい場合は前十字靭帯の合併が考えられる。
バスケットボールなどで着地したとき、サッカーなどでの急な方向転換など膝関節に前方引き出し力が作用したときに発生する。
受傷時に断裂音poppingを聴取することが多く関節血症を認める。陳旧例(経過があまりよくない例)では膝くずれgiring wayを繰り返す。
スポーツでは膝から転倒し、約90°屈曲位で前方から脛骨に直接な外力が加わり受傷することが多い。
脛骨粗面部付近に打撲による皮膚損傷を認め脛骨に後方ストレスを加えると膝窩部(膝の裏)に激痛を生じ、圧痛と皮下出血が認められる。
膝に荷重がかかった状態で回旋力が加わったときに発生する。受傷直後に半月板の損傷側に一致した関節裂隙に疼痛が生じる。
関節内出血を認めることもある。断裂については様々なタイプがあり中には内側側副靭帯と前十字靭帯、内側半月板、この三つが同時に損傷されることも多くアンハッピートライアド(不幸の三徴)といわれ長いリハビリが必要
膝蓋骨は1個の骨化核から生じるがときに2個以上の骨化核があり、癒合(骨がくっつくこと)が妨げられると、レントゲンでは2個または数個に分裂した膝蓋骨を認める。
過度のスポーツ活動で痛みを訴え、走る、ジャンプ時に膝前面に痛みがある。10才代の男女に多く見られる。SoupeⅢ型が最も多い。
大腿四頭筋の収縮、遠心性収縮を繰り返すことにより膝蓋腱の脛骨骨付着部が機械的刺激を受け、脛骨粗面部の運動時痛と膨隆(出っぱり)を生じる。
1型~3型まであり3型になると完全に剥離骨折である
安静時の痛みはほとんどなく運動時に痛みが強い。
膝のオーバーユースにて膝蓋腱や大腿四頭筋腱が膝蓋骨の付着部で微小断裂を起こし、炎症、放置すれば瘢痕化や石炭化をきたす。バレー、バスケットボール選手によく見られる。
ランナーに特異的にみられる膝の痛みで繰り返し走ることによる腸脛靭帯と大腿骨顆部の摩擦が原因となる。
骨の形状や、体の使い方などでも注意して診る必要がある
膝蓋大腿関節症に限局した関節症で原因不明の一次性のものと膝蓋骨骨折や脱臼などの外傷後に発症するものがある。坂道や階段の昇り降り、しゃがみ込み、立ち上がり動作が困難となる。
大腿骨外側上顆(骨の出っぱり)が出ている人は長距離走などで膝の屈伸で靭帯が骨の出ている部分と摩擦を起こし、運動時痛や圧痛をきたすもの。
膝の内側の痛みを主症状とし、スポーツでのサイドステップやカッティング動作、回旋力の繰り返しにより生じることが多い。
中高年では変形性膝関節症に合併していることが多く、夜間痛、立ち上がり時や階段の昇降時に痛みを訴える。
半膜様筋腱と腓腹筋内側頭の間の滑液包が炎症を起こし、腫大したもの、50才以上の女性は好発し変形性膝関節症やリウマチに合併し生じるものが多い。
圧痛や熱感があり膝後面の不快感や正座時の痛み、緊張感がある。
下腿部の肉離れは腓腹筋内側頭に多く見られるが、ヒラメ筋にも起こることがある。
スポーツではランニングやジャンプ時などに多く見られる。
痛みで動きが制限され、患部の圧痛、腫脹、皮下出血を見る。
肉離れを起こすと筋膜下や皮下に血腫を形成し、これが固い瘢痕組織に変わり、しこりが残り、筋肉の機能が低下するので、しこりができるだけ残らない様、早期に炎症を抑えることが重要
陸上のランニングや幅跳びなどの繰り返しや足関節の底背屈運動を強力に繰り返し生じる。
前方型と後方型に分けられる。
・前方型:前脛骨筋の過収縮によって生じる
・後方型:足部の過回内、回外によるヒラメ筋、後脛骨筋の過伸長により生じる。
スポーツや交通事故などの外傷で受傷し、高齢の方にも稀に見る症状。
不安定性や膝の裏の膝窩部に痛みがあり、反張膝(膝を伸ばしたときに沿っている)の人に多く見られ、反張膝+外旋を伴っている膝関節で多く見られる。
腓骨神経麻痺を伴うこともある。膝の裏の支持機構は複雑な為、正しい治療が早期改善へと繋がる。